おはなし玉手箱　〜豚の行末〜

こちらは皆がプレゼントで貰いたい
エルメスオレンジの箱をイメージし、
折り紙で作った「箱」の出品です。
中には
珍獣ハンターイモトアヤコ氏が
いとうあさこ氏に
誕生日にプレゼントして貰った
ガダルキヴィールのマグカップが
入ってればいいのですが、
中身のないおはなしが入っております。
語り部はイモトかるたの「ひ」
ヒクイドリ
よっぽどイモトを蹴りたいようで
顔が黄色くなっています。

こちらのお箱
小物入れ、
もしくはお宅に住み着いている
幸せの青い鳥の寝床にもいかがですか？

サイズは縦8cm×横8cm×高さ4cm
お気に召して頂けましたら
折りたたみ、封筒に入れ
郵送で送らせて頂きます。

なお、ヒクイドリは
世界一凶暴とギネスに登録されている為
付帯できません。
ご了承下さい。

中身のないおはなしはこちら↓
画像4枚目参照
〜豚の行末〜


「食堂かたつむり」という映画の中で
エルメスという名の豚は
溺愛されていたが、
主人公の結婚披露宴で
皆に振る舞われ
食べられてしまった。
名前を付け、愛でていたものを屠るのは
私には出来そうもない
というのが映画の感想だったわけだが
映画を見た直後、
同じようなシュチュエーションが
身に降りかかった。
ある日商店街を歩いていると、
町内会の事務所前で
豚汁の炊き出しをしていた。
隣のスペースには客寄せの為か
丸々と太った豚が
陽気な帽子を被らされ繋がれていた。
事務所のスタッフのペットで
名前は「とんじるー」とのことだった。
聞き間違いかと再確認したが、
「とんじろー」ではなく
「とんじるー」だった。
とたんに豚汁を食べる箸が止まる。
恐る恐る
「この豚汁の豚肉　もしや」
と顔をひきつらせて聞いてみると、
「向かいのスーパーで買ったから安心して」
と苦笑いが返ってきた。
しかし問題はそこではない。
「とんじるー」はそうする気があって
名付けたのかと言う所だ。
是非とも飼い主に話を伺いたかったが
待てど暮らせど来なかった。
残った豚汁を食べながら
将来その運命を辿るかもしれない
「とんじるー」の頭を撫でた。
まさに実写版「食堂かたつむり」であった。

皮肉なことに
後にも先にも、
その時食べた豚汁より
美味しい豚汁に出会ったことがない。

生きてて欲しいが食べると美味しい。

人間とは矛盾だらけの生き物なんだろう。

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